月 拝 祭
この特殊神事は毎年旧暦の七月二十六日夜(新暦ではおおよそ、八月二十日頃より九月十日ごろ)あらかじめ神社裏庭に設けられた斎場で、月の出の時刻に合わせて(午前一時二十分ごろ、つまり二十七日)祭典を執り行う。
先ず時刻になると卯辰山東端の峰のあたり一帯がわずかに明るくなり、暫くすると山の端から一つの光芒が流星のごとく立ちのぼり、やがて又一つの光が立ち昇る。すなわち三度に亘って光が立ち、それが合体して下弦の月が現れるので『三光』と称される所以となったといわれている。神仏習合の時代には、淨闇の斎場前に多くの民衆が土下座をして三光(三尊仏の御来迎とも言い伝えられる)の月の出を待ちわび下弦の月を拝したことは今にしてうなづける。その後、いつの間にか酒食を摂って月待ちをするようになり、中には西郭あたりから芸妓を連れてくる者さえあって、頗る賑わったと伝えられまた時には神社境内で月待ち群衆のために、氏子同士の吹寄や芸人を呼んでの催し物をして、初秋の夜更けを過ごしたと神社の記録にある。近年は盆踊り大会などをして有志が社務所にたむろし、神社では笹餅や赤飯を神前に捧げたのち月待ち人にこれを頒ち与えることを慣例としている |